拝啓 ケント•デリカット様
元気にしていますか?
旧友の愛息が眼鏡をかけはじめたらしい。

ふと、ケント(呼び捨て御免)のことを想いだしたのは、つい数日前。
彼女(旧友)との電話の最中だ。
3歳になる息子が、生まれつき「遠視」だったらしい。
検査もろもろで発覚したという。
来春から幼稚園に入ろうとする長男が、常時、眼鏡をかけることを彼女は懸念していたように感じた。
先週の土曜日から最新の遠視用眼鏡をかけているらしい彼、のことは本人が生後1歳に満たない頃から知っている。
1歳になった頃、泣きながら私のことを「パパ」と呼んだ。
(私の)声があまりにも低いので、お父さんと間違ったらしい。
2歳の頃、電話口で親しげに私の名前を呼び、聞き取りにくい言葉で声たからかに話しかけながら、「この人、誰?」と、突然受話器を置いてどこかへいってしまった。
電話越しでなければ、全身こそばしの刑だった。
3歳の今、何とも知的な君の眼鏡姿にうっとりする。
「どこ見てるん?」
「何考えてんの?」
目に見えて分かる君の成長に、ただただ微笑んでしまう。
オー、マイ•ケント。
今度会う時は、名前と顔が一致してくれることを祈るよ。


