
『特別な力がある聖地には特別な神が降りてくる』
ズキューン。ババババーン!ドーン!!!
いやはや、この一行で胸ぶち抜かれた。
その聖地とはもちろん甲子園。
そう、あの甲子園です。
「プロ野球を面白くする人々 阪神タイガースファン名言珍言集」。
阪神ファンの抱腹絶倒人生語録だ。
生涯トラキチの会こと、猛虎魂会による取材、及び膨大なアンケート調査を試みた後、
産み落とされた熱〜い1冊である。
株式会社ユンブル•代表取締役の朝日奈ゆか氏が会長を務める
猛虎魂会は、顧問に宗教人類学者であり作家の植島啓司氏を含め合計9名のベストナイ
ンで結成されている。
2章 トラキチもうなる面白ヤジ迷言珍言集より
「甲子園に足を運ぶ理由」について阪神ファンの皆さんは以下のように解答している。
理由1=試合を見に行く、理由2=甲子園に来る阪神ファンを見に行く、理由3=面白
いヤジを聞きに行く、理由4=なんか面白いことを探しに。
たとえボコボコに打たれまくる負け試合でも、なんとかしてチケット代の元をとったろ
うという姿勢は崩さない。
阪神ファンが、勝っても負けても阪神をひと一筋に応援し続ける理由について、
「阪神は人生の縮図」やからと言い、「巨人が悪で阪神が正義」と力強く主張。
一方、阪神が強すぎると複雑になる心の内も明かしている。
7章 阪神川柳より
「勝ちすぎて 逆に不安に 陥れり」
「ほんまかえ こんなん阪神 ちゃうでおい」
「強い今 これが夢でも 冷めないで」
私自身、関西人&生まれた時点で、まわりの親戚全員が熱狂的な阪神ファンという環境
だったので、阪神ファンであることが当たり前のように生きてきた。
ちなみに実家はオリックスの球場から歩いて5分ほどの場所にあるが、一度も試合など
観たことがない。
かれこれ20年程前、家族そろって甲子園球場に試合を観に行ったら、阪神が負けた。
「くそ、どついたろか!なんでやねん」と毒を吐きまくる父に、「また、次あるや
ん。がんばろ」と小走りに駆け寄り、必死で励ましていた母。私は幼心に、「どうやっ
て何をがんばるんやろう?なんでそんなに怒ったり、焦ったりしてるんやろう?」と不
思議に思った。
1年、そしてまた1年大人の階段を昇る度に、その理由がだんだんと明らかになって
いく。期待、絶望、復活、人情、そして栄光…。そう、トラキチにとって阪神は
人生の縮図なのだ。勝っても負けても一生タイガース。
おとんやおかん、あるいはテレビの画面に罵倒し、立ち上がり絶叫、拍手、号泣する親
戚のおいちゃん達は人生を投影していたのだ。
未だ三十路数年余、人生を語れるほど偉そうなことはいえないけれど、この本からは阪
神ファンの生の声が、心の叫びが聞こえ、(もちろん関西弁)人間臭さが存分に感じら
れる。
ぜひご一読下さいまし。


