100%の女の子(1983年)、パン屋襲撃(1982年)。
村上春樹氏のカンガルー日和にある2つの短編を山川直人監督が映画化したもの。
「かなり面白いから見てみて」。先日の酒宴にて、女優の川村早織梨さんからのお勧めあ
り、早速購入してみた。2本だから3時間くらいかかるだろうし、まとまって時間がある時
に見ようと思っていたら、なんとたったの27分だった。しかも11分と16分。ふたつ合
わせてこの長さということ。
100%の女の子は、えらくスローモーションでノスタルジックな場面からはじまったかと思え
ば、妙にリアリティのある場面に変わり、かと思えば写真や色紙を切り貼りしてコラージュ
したような画像がパッパッパッと映し出される。
人物のセリフというよりは、主人公のナレーションによって物語が進んでいく感じでしょう
か。いずれの作品にもお若い頃の室井滋さんが出ているのだけれど、あどけなくて実に可愛
らしい。こんなに魅力的な女優さんだったっけ?と見入るほど、少女らしさの残る表情が印
象的だった。いっぽう、パン屋襲撃に登場する主人公の相棒役の俳優が、村上春樹氏にやや
似で、これははて意図的なのかしら?と。
見終えた後の不思議な気持ち。これって日常的に起きていることだなあというのが前者。
時間を経ることで、切ないけれど切り捨てていく感情とか、簡単に忘れてしまうこととか、
同じ人と似たようなシチュエーションで出会っても、二度と同じことはないのだという当た
り前のような人間同士の営み。ご縁という言葉が浮かぶかな。
後者は笑える。腹の空いた15歳ならこれ確実にやるなという感じ。中学生の頃にバイトをし
ていた(高校生だと嘘をつきました)パン屋で余ったパンをもらうのが嬉しかったことを想
いだした。美味しかったなぁ。
DVDにはそれぞれの映画についてのインタビューやシナリオ、監督の製作ノートなどが載っ
ていて、充実の内容。
前述の室井滋さんが、山川監督をインタビューしていて、製作費用について聞くくだり。
100%〜は、なんと10万円。安っ!しかも、出してくれたプロデューサーの加藤さんという
人。出す代わり「自分をどっかワンシーン出してくれ」という条件だったそう。劇中で室井
さんとホテルの門をくぐろうとする男性がその方。そんなことってあるのですなぁ。
なにせ面白い映画です。
ところで、作家の高橋フミアキ先生。
このブログでも幾度となく先生については触れてきたのですが、読賣新聞にこんな大きく!
まあ、すごい!先生、おめでとうございます!
ご著書の『さすが!と思わせるできる人の話し方』が大好評のようです。
先生は、文章の「ぶ」の字以前に、日本語さえよく分かっていなかった私をご教授してくだ
さり、お酒の席でも一緒に暴れて(?)下さるファンキーな方です。
先生の書かれる文章は、スーッと心に沁み込んでくるような優しさに溢れています。
でも芯は極太。何度読み返しても、新たな発見が必ずあります。ぜひご覧あれ。


