2009年8月アーカイブ

昨夜、新宿3丁目のどん底で呑んでいたら、小松政夫さんのご一行と隣り合わせになりまし

た。アロハシャツにデニムをおめしで、ヘアもバシッときめておられて、ダンディな紳士で

した。本当に素敵です。


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(左:私 中央:小松政夫さん 右:友)




昭和26年に開店したこの酒場について、三島由紀夫さんは次のような言葉を残してい

ます。





クノッフ出版社のストラウス編集長夫妻が、新宿へ遊びに行きたいというので、案内して、

まず若い人の大ぜい集まるロシヤ風の酒場「どん底」へゆき、焼き鳥キャバレー二軒まわっ

たところ、夫妻は大よろこびであった。

酒場「どん底」では、ドン底歌集というものを売っていて、ある歌を1人が唄い出すと、期

せずして若人の大合唱となる。喚声と音楽が一しょになって、なまなましいエネルギーが、

一種のハーモニィを作り上げる。何ともいえぬハリ切った健康的な享楽場である。

(中省略)

しかしワビだのサビだのといっていた日本人が集団的な享楽の仕方を学び、とにもかくにも

一夕の歓楽の渦巻きを作りうるようになったのは、戦後の現象で銀座の高級バアーでコソコ

ソ個人的享楽にふけっている連中にくらべると、焼き鳥キャバレーやどん底酒場のほうが、

よほど世界的水準に近づいているように、私には思われるのであった。



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このどん底は、酒場という名がつくのに、なぜかトルティーリャ•エスパニョーラがあり、ス

ペインワインも飲めて、いいちこや泡盛ももちろん頼める。天井にはシャンデリア、3階に

続く空間には錆びきってボロボロの自転車のオブジェが飾ってあり、焦げ茶の柱に白い壁。

西洋ミックスとひとことでは割り切れない、なんとも不思議な空間で、魅力的でした。


うつみ宮土理さんの「急ぐ男」、内館牧子さんの「昔の男」にもインスピレーションを与え

たという男と女と酒と泪と人生と、ああ、なんか演歌調ですが、人や生き様が詰まっている

愛されるべき、伝説的、そして今なお健在の新宿の顔です。


美川憲一さんによると、昭和四十年頃、すでに、どん底の地下には、ラ•カーブというゲイ

バーがあったそうで、3丁目は2丁目よりも先をいっていたとのことです。まだ、知らない

ことがいっぱいあるのですね。何とも、いい夜でした。


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ところで、友人の猫ですが、どうしたのでしょうか。目からビームが出ています。

飼い主への愛情表現でしょうか。光の加減?

猫なのにうさぎという名前で、体がびっくりするほど柔らかい娘です。







昨夜、宇野千代さんの本を読み返していたらこんな一節をみつけて、ふと祖母のことを想い

だしました。



この頃、私も時々、自分の能力が限界に来た、と思うことがあります。体力もですが、仕事

についての力もそうです。そんなとき私は、こんな話を思い出して、自分で自分にから元気

をつけるのです。九十何歳かになる老婆が、自分はもう歩けないと思い込んで、一日中、う

ちの中に坐ってばかりいたのですが、家が火事になったとき、逸早く駆け出して逃げたとい

う話です。

人間には、辛がったり苦しがったりするほうの自分と、喜びと感謝で生きられるほうの自分

とがあります。心の中に、もう一人の自分を探し出して、たったいまから、どんな人生に

も、矢でも鉄砲でも来い、私の心は汚されないぞ。私の心の中は、永久に喜びと感謝で一ぱ

いなのだ、という気持ちで生きてゆかれれば、その結果、どうなるか。事実がきっと、あな

た方に大きな幸福という訪れでもって、お応えすると思います。




亡き祖母の場合、当時、体はピンピンしていたのだけれど、顔を合わせる度に、「ああ、あ

たしはもうすぐ死ぬわ」「もう寿命や、あかんわ」「今年の正月が最後になるかもしれへ

ん」などと、死を匂わす言葉をそれはもう口ぐせのように言っていて、「皆が不快になるか

らそんなこというんやめろや」と父はいつもブチ切れていました。

私もほとほと、「こんなこと言ってる人ほど長生きするんだろう」と思いつつ、ゴールデン

バットを吸う祖母の涼しげな横顔を眺めていました。

ところが、阪神大震災の日、祖母の住まう元町のアパートの大家さんから電話があり、彼女

が「助けてくれぇぇぇ」と父の名前を連呼して、絶叫しているといいます。

父が現場に行くと、アパートの3階部分まではぺしゃんこに潰れて、てっぺんの4階、祖母

の住まう部分だけがいびつな角度で地面に乗っかっている状態でした。

タンスやらの家具の下敷きになっている祖母をなんとか連れ出してみると、ほとんど無傷で

命も無事。

それから、祖母は死にたいとかいうことを一切口にせず、心なしか性格が丸こくなりまし

た。記憶を辿ってみると、父は祖母が形相を変えて助けを乞う姿をすぐに笑い話にしてい

たような。それから、地震とはまったく別に、祖母は病を患って、半年間、入退院を繰り返

していましたが、父と頻繁に会えるのが嬉しかったのではないかと思います。

「ほんま手のかかるばばあやでぇ」なんて言ってたのをおぼろげに覚えていますが、そして

父も嬉しかったような。文句言うほどいい感じの関係やなぁと、今は思えます。




はい。前置きがかなり長くなりましたが、ポッドキャスト第18弾をアップします。






ジャングル☆ジャム 第18弾




今回は、本ブログでも幾度となくご紹介した、作家の高橋フミアキ氏をお迎えしてお送りし

ます。

高橋先生の生い立ちから、板前をして自力で通った大学時代、そして現在、作家としてご活

躍されるに至るまでの軌跡をダイジェストでお届けします。

文豪•中上健次氏がアメリカから帰国する度、成田空港まで車でお迎えに行き、運転手として

新宿の自宅まで届ける。その時間の中で、都はるみさんのあんこ椿をアカペラで唄い、そこ

はちがうだの、こう唄えだのと言いたい放題のアドヴァイスを受けた...。そこで、小説のヒ

ントを得たという修業時代等等。

文章修行を通して語られるエピソードの中には、生きるヒントがたくさんです。

ぜひご拝聴くださいませ。

今回の収録は、6月に代田橋の沖縄タウンにオープンしたばかりの先生の営む『あきら』で

行われました。

あきら  杉並区和泉1−3−17 
     03−3322−3436
     営業時間 PM6:00 〜深夜1:00
                

こじんまりとした大人の酒場です。「大富豪おじいさんの教え」「さすが!と思わせるでき

る人の話し方」「頭がいい人の1日10分文章術」など、先生のご著書と共に、中原中也、

川端康成などのご本も並んでいる文學的心地よい酩酊空間です。

この沖縄タウンという地域、旅行に来たんかと錯覚するくらい、不思議な街です。

すたれた商店街を再生しようという計画のもと、4年ほど前に作られた都会のど真ん中にあ

るちっこい沖縄。「ひとつ屋根の下」をはじめとする数多くのテレビドラマのロケが行われ

た場所でもあるそうです。意外と知られていないようですので、お伝えさせてください。

めちゃ面白いので、ぜひ一度。


さらに、同氏の新書「超入門!名作書き写し文章術」が9月15日に発売です。

詳細は、今回のポッドキャストでもチラッとお話頂いていますが、追って、実物と共にご紹

介したく思います。




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ところで、今日、『大脱出 脱出ゲームTHE MOVIE』〜史上最強のショート•ストーリー〜

の試写会に行ってきました。

携帯公式サイト『脱出ゲーム@ガットメール』のゲームに触発された若手監督11名による

短編映画です。

印象に残ったのは、幼稚園に出る霊の成仏を託されたという男性が主人公の「未完成の

絵」、赤い服を着た女の子ばかりを次々と襲う「赤ずきんちゃん事件」の犯人探しの途中、

親友が行方不明になり、事件がはじまるという「NO MERCY」、そして「LOST SONG」。

売れないミュージシャンが、ある女の霊によって音楽スタジオに閉じ込められ、謎解きがは

じまるというストーリー。こういってしまうと、怖い感じがするかもしれませんが、全くホ

ラーとは無縁。むしろ、愛に溢れている作品だと思いました。さらにいうと、ユーモアが

あって、テンポがいい。グングン惹き込まれました。短編ゆえ、あっという間に終わってし

まったのが残念でしたが、本作、今秋、公開です。ぜひ、ご覧あれ。


UPLINK X  渋谷区宇田川町37−18 トツネビル2F
                   03-6825-5503


この場を借りて、遅塚勝一監督、ありがとうございました!





ジャングル☆ジャム 第17弾


ポッドキャスト17回目をアップしました。1週間、早いですね。

今回は、①来週ゲストの告知、②越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭、③伊勢神宮

④お墓デザインの4本でお届けしています。

ご拝聴ください。


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伊勢神宮のキセル屋でみつけた、グラフィックデザイナー•伊藤豊氏のマッチラベルです。

同氏は、ラベルを古燐票と呼んでいて、日本の文化遺産として後世に伝えたいのだそう。

マッチ好きとしてはたまらん作品です。ちなみに中身は普通に使えますが、点火部分が

赤でなく黒いです。

今日、仕事で長野に行ってきました。行きがけ、携帯を自宅に忘れ、引き返し、新幹線まで

ダッシュ。ヒールで走ると、スピード出ず、妙なフォームで小走りしている自分がとても気

持ちわるかったです。無事一日終えました。今日もはぁ、お疲れ様でした。  









ジャングル☆ジャム 第16弾


アップが不定期気味で、ごめんなさい。

さて、今回のポッドキャストは、①酒井法子さん逮捕事件、②先日、ブログでも触れた写真

家レスリー•キー氏との撮影、③淡路島のテーマでお届けします。

ぜひご拝聴くださいませ。

最近、色んなことが、めまくるしい勢いで起きています。悲喜こもごも、ごったまぜでは

ございますが、いい意味で変動期かもしれません。

毎日を生活していたら、もう8月も半ばを過ぎてました。

今年の花火は、友人に見せてもらった携帯動画のみ。ああ、せめて、夏が終わる前に、線香

花火くらいはしておきたいです。そんなこんなで、明日も精一杯がんばろう。







ヴィオラ奏者の小谷泉氏にお誘いいただき、81プロデュース企画公演『The ROUDOKU〜

大人が楽しむ絵本』を観てきました。

声優の小林優子さん(キャプテン翼Jの岬太郎役、忍たま乱太郎の山本シナ役など)、佐久間

レイさん(魔女の宅急便のジジ役、ガラスの仮面•平成版の水城冴子役など)らが7冊の絵本

を朗読し、それに併せて、チェロ、バイオリン、キーボード、ヴィオラが思い思いのメロ

ディを奏でるという、何とも贅沢なイベントでした。

印象的だったのは、35歳で癌の転移により逝かれた画家•三橋節子氏の「雷の落ちない

村」、ミック•インクペン氏の「ぼくのなまえはイラナイヨ」、そして長新太氏の「へんて

こライオンがいっぱい」の3つ。

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「雷の落ちない村」は、琵琶湖のほとりある村にいる少年•くさまおのお話。雷がよく落ちる

村をなんとかして平和な村にしようと一計を企てるというストーリー。三橋氏が病魔と戦い

ながらも、我が子に描き残したという作品。色彩はグレー調で、どこかおどろおどろしい雰

囲気のある絵なのに、おそらく、無限の可能性を秘めた子供に向けた、希望に満ちあふれた

メッセージとの対比が鮮やかで、強烈なインパクトを受けました。


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「ぼくのなまえはイラナイヨ」の主人公はボロボロのぬいぐるみ。引っ越しで古い家に置き

去りにされ、自分が何のぬいぐるみだったのかも思い出せない...。ねずみや狐、猫たちと、

さまざまな動物に出会ううちに、自分の元の姿を想い出していき、遂には元のご主人様にた

どり着くという愛らしい物語。イラナイヨという名前を主人公が口にするたび、切ない気持

ちになりました。猫に戻れてよかったね。ネタバレ、失敬。

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笑いを堪えきれず、声をあげて爆笑したのは、「へんてこライオンがいっぱい」です。

ストーリーは、「ゆうちゃんという男の子がポコポコ、しんくん(同じく男の子)がてくて

く歩いていると、ライオンに出くわす...」というお決まりのパターンではじまります。

何が変って、何の脈略もなく突然ライオンが出てきて、男の子たちと対話するでもなく、

いきなりイカになるわ、2本足で直立して、おそまつくんのシェー風ポーズを決めるわで、

タイトル通りなんです。何をしでかすかまったく予想できないまま、ひとつのお話が2〜3

分ほどで淡々と終わっていく。ライオン様のおかげで、絵本の楽しさに開眼したかもしれま

せん。この作品、全シリーズ欲しいです。

これらの作品をクラッシックと共に楽しむ、というのは大人の仲間入りをした証拠かしら。

時にドラマティック、そして繊細に、情感溢れる演奏に惚れ惚れしました。















Leslie Kee

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昨日、写真家のレスリー•キー氏にお会いしました。

2006年、スマトラ沖地震のチャリティで、チェ•ジウさん、坂本龍一さん、菊池凛子さんな

ど、アジアを代表する300名のスターを撮り下ろした同氏の写真集、「Super Stars by Leslie 

Kee」発表時、表参道ヒルズでの展示が日本でも話題となり、ご存知の方も多いかと思いま

す。


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                <Super Stars by Lesile Kee>


そんな彼が、来春、新•写真集を発表する予定です。きたる新作の中で、なんと、なんと、

モデルをさせていただきました。

内容の詳細は、まだお伝えできないのですが、すこぶるクールな作品になること、まちがい

なしです。2人の手のポーズ、ここにヒントありです。ん?


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(左:レスリー氏、右:私)


共通の友人を通して、彼のご活躍やお人柄についてはうかがっていたのですが、実際お会い

して感じたのは、本当に、天才っているのだなということでした。

一瞬にしてその人の持つ魅力を、撮られている本人さえ気づいていないそれを、一番いい形

で惹き出す魔力のようなものを彼はもっている。素晴らしいとしかいいようがありません。

前述のSuper Starsの巻頭ページには、酒井法子さんと押尾学さんも出ていて、レスリー氏

は、「非常にショックで、信じられない」とポツリ言ってはりました。

思いがけないことが起きる、良きもわるくも。どちらにしても、私たちが生きている証では

あるのですが、彼らの輝く一瞬をシャッター越しに捉え、今、現実に起きていることを報道

で知る時、事実を信じがたいという気持ちにはまた、特別なものが入り混じっているんでは

ないかと感じました。

話は少し逸れましたが。写真集の告知は、改めてお知らせしたいと思います。


写真集を頂きました。もう、感激です!

Thank you,Leslie!


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ジャングル☆ジャム 第15弾



先週に引き続き、俳優の印南俊佑氏をお迎えしての30分をお届けします。

彼の出演する最新作、外道ノ国ニ生マレテ獏天より発売されました。

熱いドラマを観るにはかなりの気合いが要りますが、いつの間にやら、惹き込まれるかも

です。80年代〜90年代初期を彷彿させるBGMは、30代前半殿方&姫君にはたまらんもの

があります。え?こんなの舞台で使っていいの?というのが私的な感想でした。

涙あり、笑いありのステージ、ぜひお手にとってみてください。



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ところで、帰省しておりました。

家族との語らい、母の愛犬に顔を舐りつくされ攻撃、親友の子供に絵本を朗読、またその子

供の弟に顔面を打たれるなど、普段触れることのない温かいものにたくさん接してきまし

た。

4歳にもなると、男の子って男なんですね。前述の絵本の子ですが、別れ際、涙をいっぱい

ためて、プイと背中を向けてしまい、後ろ向きでこちらに手を振りながら、去っていきまし

た。後で聞くと、めっちゃ涙を流していたそうで、こっちがジーンときてしまいました。

暑い夏がさらに暑くなってまいりました。雨も止んだことだし、ちょっくら出かけてきま

す。