ジャングル☆ジャム 第18弾 ゲスト•高橋フミアキ氏

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昨夜、宇野千代さんの本を読み返していたらこんな一節をみつけて、ふと祖母のことを想い

だしました。



この頃、私も時々、自分の能力が限界に来た、と思うことがあります。体力もですが、仕事

についての力もそうです。そんなとき私は、こんな話を思い出して、自分で自分にから元気

をつけるのです。九十何歳かになる老婆が、自分はもう歩けないと思い込んで、一日中、う

ちの中に坐ってばかりいたのですが、家が火事になったとき、逸早く駆け出して逃げたとい

う話です。

人間には、辛がったり苦しがったりするほうの自分と、喜びと感謝で生きられるほうの自分

とがあります。心の中に、もう一人の自分を探し出して、たったいまから、どんな人生に

も、矢でも鉄砲でも来い、私の心は汚されないぞ。私の心の中は、永久に喜びと感謝で一ぱ

いなのだ、という気持ちで生きてゆかれれば、その結果、どうなるか。事実がきっと、あな

た方に大きな幸福という訪れでもって、お応えすると思います。




亡き祖母の場合、当時、体はピンピンしていたのだけれど、顔を合わせる度に、「ああ、あ

たしはもうすぐ死ぬわ」「もう寿命や、あかんわ」「今年の正月が最後になるかもしれへ

ん」などと、死を匂わす言葉をそれはもう口ぐせのように言っていて、「皆が不快になるか

らそんなこというんやめろや」と父はいつもブチ切れていました。

私もほとほと、「こんなこと言ってる人ほど長生きするんだろう」と思いつつ、ゴールデン

バットを吸う祖母の涼しげな横顔を眺めていました。

ところが、阪神大震災の日、祖母の住まう元町のアパートの大家さんから電話があり、彼女

が「助けてくれぇぇぇ」と父の名前を連呼して、絶叫しているといいます。

父が現場に行くと、アパートの3階部分まではぺしゃんこに潰れて、てっぺんの4階、祖母

の住まう部分だけがいびつな角度で地面に乗っかっている状態でした。

タンスやらの家具の下敷きになっている祖母をなんとか連れ出してみると、ほとんど無傷で

命も無事。

それから、祖母は死にたいとかいうことを一切口にせず、心なしか性格が丸こくなりまし

た。記憶を辿ってみると、父は祖母が形相を変えて助けを乞う姿をすぐに笑い話にしてい

たような。それから、地震とはまったく別に、祖母は病を患って、半年間、入退院を繰り返

していましたが、父と頻繁に会えるのが嬉しかったのではないかと思います。

「ほんま手のかかるばばあやでぇ」なんて言ってたのをおぼろげに覚えていますが、そして

父も嬉しかったような。文句言うほどいい感じの関係やなぁと、今は思えます。




はい。前置きがかなり長くなりましたが、ポッドキャスト第18弾をアップします。






ジャングル☆ジャム 第18弾




今回は、本ブログでも幾度となくご紹介した、作家の高橋フミアキ氏をお迎えしてお送りし

ます。

高橋先生の生い立ちから、板前をして自力で通った大学時代、そして現在、作家としてご活

躍されるに至るまでの軌跡をダイジェストでお届けします。

文豪•中上健次氏がアメリカから帰国する度、成田空港まで車でお迎えに行き、運転手として

新宿の自宅まで届ける。その時間の中で、都はるみさんのあんこ椿をアカペラで唄い、そこ

はちがうだの、こう唄えだのと言いたい放題のアドヴァイスを受けた...。そこで、小説のヒ

ントを得たという修業時代等等。

文章修行を通して語られるエピソードの中には、生きるヒントがたくさんです。

ぜひご拝聴くださいませ。

今回の収録は、6月に代田橋の沖縄タウンにオープンしたばかりの先生の営む『あきら』で

行われました。

あきら  杉並区和泉1−3−17 
     03−3322−3436
     営業時間 PM6:00 〜深夜1:00
                

こじんまりとした大人の酒場です。「大富豪おじいさんの教え」「さすが!と思わせるでき

る人の話し方」「頭がいい人の1日10分文章術」など、先生のご著書と共に、中原中也、

川端康成などのご本も並んでいる文學的心地よい酩酊空間です。

この沖縄タウンという地域、旅行に来たんかと錯覚するくらい、不思議な街です。

すたれた商店街を再生しようという計画のもと、4年ほど前に作られた都会のど真ん中にあ

るちっこい沖縄。「ひとつ屋根の下」をはじめとする数多くのテレビドラマのロケが行われ

た場所でもあるそうです。意外と知られていないようですので、お伝えさせてください。

めちゃ面白いので、ぜひ一度。


さらに、同氏の新書「超入門!名作書き写し文章術」が9月15日に発売です。

詳細は、今回のポッドキャストでもチラッとお話頂いていますが、追って、実物と共にご紹

介したく思います。




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ところで、今日、『大脱出 脱出ゲームTHE MOVIE』〜史上最強のショート•ストーリー〜

の試写会に行ってきました。

携帯公式サイト『脱出ゲーム@ガットメール』のゲームに触発された若手監督11名による

短編映画です。

印象に残ったのは、幼稚園に出る霊の成仏を託されたという男性が主人公の「未完成の

絵」、赤い服を着た女の子ばかりを次々と襲う「赤ずきんちゃん事件」の犯人探しの途中、

親友が行方不明になり、事件がはじまるという「NO MERCY」、そして「LOST SONG」。

売れないミュージシャンが、ある女の霊によって音楽スタジオに閉じ込められ、謎解きがは

じまるというストーリー。こういってしまうと、怖い感じがするかもしれませんが、全くホ

ラーとは無縁。むしろ、愛に溢れている作品だと思いました。さらにいうと、ユーモアが

あって、テンポがいい。グングン惹き込まれました。短編ゆえ、あっという間に終わってし

まったのが残念でしたが、本作、今秋、公開です。ぜひ、ご覧あれ。


UPLINK X  渋谷区宇田川町37−18 トツネビル2F
                   03-6825-5503


この場を借りて、遅塚勝一監督、ありがとうございました!

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