ヴィオラ奏者の小谷泉氏にお誘いいただき、81プロデュース企画公演『The ROUDOKU〜
大人が楽しむ絵本』を観てきました。
声優の小林優子さん(キャプテン翼Jの岬太郎役、忍たま乱太郎の山本シナ役など)、佐久間
レイさん(魔女の宅急便のジジ役、ガラスの仮面•平成版の水城冴子役など)らが7冊の絵本
を朗読し、それに併せて、チェロ、バイオリン、キーボード、ヴィオラが思い思いのメロ
ディを奏でるという、何とも贅沢なイベントでした。
印象的だったのは、35歳で癌の転移により逝かれた画家•三橋節子氏の「雷の落ちない
村」、ミック•インクペン氏の「ぼくのなまえはイラナイヨ」、そして長新太氏の「へんて
こライオンがいっぱい」の3つ。
「雷の落ちない村」は、琵琶湖のほとりある村にいる少年•くさまおのお話。雷がよく落ちる
村をなんとかして平和な村にしようと一計を企てるというストーリー。三橋氏が病魔と戦い
ながらも、我が子に描き残したという作品。色彩はグレー調で、どこかおどろおどろしい雰
囲気のある絵なのに、おそらく、無限の可能性を秘めた子供に向けた、希望に満ちあふれた
メッセージとの対比が鮮やかで、強烈なインパクトを受けました。
「ぼくのなまえはイラナイヨ」の主人公はボロボロのぬいぐるみ。引っ越しで古い家に置き
去りにされ、自分が何のぬいぐるみだったのかも思い出せない...。ねずみや狐、猫たちと、
さまざまな動物に出会ううちに、自分の元の姿を想い出していき、遂には元のご主人様にた
どり着くという愛らしい物語。イラナイヨという名前を主人公が口にするたび、切ない気持
ちになりました。猫に戻れてよかったね。ネタバレ、失敬。
笑いを堪えきれず、声をあげて爆笑したのは、「へんてこライオンがいっぱい」です。
ストーリーは、「ゆうちゃんという男の子がポコポコ、しんくん(同じく男の子)がてくて
く歩いていると、ライオンに出くわす...」というお決まりのパターンではじまります。
何が変って、何の脈略もなく突然ライオンが出てきて、男の子たちと対話するでもなく、
いきなりイカになるわ、2本足で直立して、おそまつくんのシェー風ポーズを決めるわで、
タイトル通りなんです。何をしでかすかまったく予想できないまま、ひとつのお話が2〜3
分ほどで淡々と終わっていく。ライオン様のおかげで、絵本の楽しさに開眼したかもしれま
せん。この作品、全シリーズ欲しいです。
これらの作品をクラッシックと共に楽しむ、というのは大人の仲間入りをした証拠かしら。
時にドラマティック、そして繊細に、情感溢れる演奏に惚れ惚れしました。


